今回は粒高(ツブ高)ラバーでの『ドライブに対して当てるだけで返球する(バックショート)』打ち方について解説します。
なお、バックサイドにドライブボールを打たれた際の粒高ラバーでの返球方法は下記の4つの方法があります。(ペン粒の場合)
今回は④当てるだけについての解説です。
ポイントは2つ。
- 打球点を低くする
- 正しいラケット面(角度)をつくる
です。
打球点を低くする
当てるだけで返球するため、打球点が高いと相手コートでのバウンドが高くなってしまいます。そして当てるだけで打球すると回転がかからないため、高いバウンドで返球すると相手にとってチャンスボールになってしまうのです。
そういう点から、打球点を低くして低いボールで返すことが必須です。
粒高ラバーなのに逆回転にならない?
ちなみに回転がかからないと書きました。念のためこの点も説明します。
一般的に粒高ラバーの特徴は『回転が逆になる』と表現されます。概ねその通りですが、実は正確ではありません。
ドライブボール(トップスピン)に対して粒高ラバーで「当てるだけ」で返すと下回転にはなりづらいのです。下回転になったとしても、回転量が少ないのです。無回転に近いボールです。
そのボールに対して、相手が下回転のつもりでツッツくと、たいていは浮いてしまうでしょう。
ドライブボールに対して当てるだけでは下回転にはならず、ラケットを下ろすことによってはじめて下回転になるのです。
ドライブに対して当てるだけで返す場合はこの特徴を利用すると良いでしょう。
この特徴を知らない相手に対して使い、ボールを浮かせるのです。
または、ドライブに対して、
- ラケットを下ろして下回転で返球する
- 当てるだけにして無回転で返球する
このように回転量を変化させて返すと良いです。
正しいラケット面(角度)をつくる
相手のドライブボールの回転量、スピードに応じて正しいラケット面をつくりましょう。
言葉で書くと簡単ですが、卓球をする人ならこれがとても難しい技術であることは容易に想像ができますよね。
というのは、相手のドライブボールの回転量とスピードは毎回違うからです。同じ相手であってもです。
もしかすると、『同じ回転量で同じスピードのボール』は二度と無いのかも知れません。
ではどのように正しいラケット面をつくるのかというと、それは自分の中の過去のデータを参照して正しいラケット面を『想像して』つくるわけです。
”相手のボールの回転量とスピードはこれくらいだから、面はこれくらい被せれば良いだろう”
このように想像するわけです。
そして想像を正確にするためには、データが必要です。何度も練習を繰り返し、「このボールにはこれくらいの面をつくれば良い」というデータを蓄積するようにしましょう。
余談ではありますが、ペン粒がボロ負けするときというのは、自分にとってデータが無いボールを打たれた場合だというケースが多いです。
経験が無いような強烈な回転のボールや、経験が無いような強烈なスピードのボールを打たれると、それに対応するデータが無いため正確なラケット面を想像出来ないのです。そうなると正しいラケット面がつくれません。お手上げ状態です。
ペン粒が強くなるには、色々な人のボールを受けることが大切です。特に自分より強い相手のボールを受ける練習は必須です。
文:菅家雅治(卓球コーチ)
①ラケットを下ろす(カットブロック)
②押す(プッシュ)
③ドライブ
④当てるだけ